「聴いた」つもりになってない??

私の母は、認知症だ。

認知症を診断した先生のお話しから、 母にとって大事なことは、「気持ちが良いか悪いか」なのだそうだ。そして、自分の事しか考えられないのだと。


ふむ。

「気持ちが良い」とは、どういう事か? 


先生の話をよく聴いていると、私たちが考える「気持ちが良い」とは、少し意味が違うようだ。

私たちが「気持ちが良い」と聞いたら、さわやかな風が吹いて、寒くも暑くもなく、心地よい空間と時間が流れる事。

あるいは、肌触りの良いコットンやふわふわの毛皮とか、ふかふかのお布団に包まれる感じとか。または、よく晴れた日に、プールですぃすぃーーーーーっと泳ぐとか。

人によって受け取り方が違うと思いますが、 私たち内面の事ではなく、外側から受け取る事だったり、します。

ここで、先生が言っている「気持ちが良い」の意味は、 認知症の方が、「何をしたら良いかがわかる」「理解する事」「受け入れられている事」という意味。

「気持ちが悪い」とは、「わからない」「不安・不快になる」「おびえる」「面倒な事」という意味でした。 

母にとって、母の内側で感じる感情や思いに根ざしている事柄でした。同じ言葉でも、ちゃんと聴かないと、だいぶ意味が違ってきます。先生に、「気持ちが良いとは、どういう事ですか?例えば、どんな事?」と訊かなければ、わかったつもりになってしまう言葉。

「聴く(訊く)」って大事だなぁ。 

 よく、「わかったつもりになる」ってあります。これ、気をつけないと、「わかった」って、二つの意味があるなと思うのです。

言っている言葉の意味がわかったという「わかった」 

言われた事の内容を理解して、それを承認・了承する「わかった」 

これ、時々、自分でもごっちゃになっている時があります。 

ちゃんと訊かないとね。誤解するよね。

「聴く」と「訊く」は、違うのだけど。 


ひとつずつ、ちゃんと聞こう。


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