アメーバと鍾乳石(2)

 私は、日々自分と向き合いブツブツと自分と対話し、現実と行動のギャップの間を行ったり来たりしています。こんな事を言うと「変な人」と思われるので、あまり大っぴらに話す事はないんですけど。

 コーチなので、セルフコーチングだと言えば聞こえはいいですが、人間ですから、どうしたってブツブツやるわけですよ。そんな時にいつも私の頭の中に浮かんでくる映像が二つあります。アメーバと鍾乳石。前回はアメーバについて記しました。今日は、鍾乳石について記していこうと思います。

二つ目のイメージ、鍾乳石。

 鍾乳石。天井からぽたん、ぽたんと雫が落ちてきて、少しずつ大きくなっていく鍾乳石。まさにあれのことです。あの映像は、割といつも頭の中にあります。これ何かというと、私の中では、成長や経験のイメージとつながっています。

 私がコーチングと初めて出会った時のこと。コーチの在り方を教えてくれたメンターコーチがいました。いくつかある在り方の中に、「人はすでに完全である」というものがありました。この「完全である」ということを理解するのに、私は時間がかかりました。

 完全ってどう言うことなんだ?当時の私は、あれも足りない、これも足りない、もっと頑張らなくては!と、がむしゃらに走っていたころでした。よくわからないけど、何かに追われるように、気になったものはとにかく学び、話を聞き、インプットばかりしていたと思います。プライベートも、精神的にも落ちるところまで落ちていました。そんな私に、「完全」という言葉は、全く理解できませんでした。

 この「人はすでに完全である」の意味を考え続け、私なりに理解したのは、こうです。

〜目の前にいる人は、足りない人ではなく、無限の可能性に満ちた人だとわかる。その姿勢で向き合えば、自ずとコーチの姿勢が定まってくる〜

  これが腹落ちした時、鍾乳洞の中の水が落ちてきたところに出来る鍾乳石を思い出しました。筍に似ているので「石筍(せきじゅん)」というそうです。

 鍾乳石は、大きい小さいはあれど鍾乳石であることに変わりはなく、足りないものは無いのです。天井から落ちてくる雫を受けて、受けて、受けて、少しづつ大きくなるだけ。これを人間に見立てれば、少しずつ経験や行動を繰り返すことで人が大きくなるのだと、思いました。 

 今この瞬間は、足りないものはなく完全なカタチの私であり、その力の全てを使って、前に突き進む力と可能性を持っているのだと理解しました。

 人はすでに完全である。そう思ったら、あれも足りない、これも足りないと指摘することもなく、今できる最大のことはなんだろう?と思えるんじゃないかしらと思います。

 今週は、「完全である」を心に留めて、大きくなっていく経験や行動を積み重ねたいと思います。

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